光をとりいれる

睡眠用バルコニーは、部屋のこの部分までだから、この天井の高い空間は光が満ち溢れるようにできている。

ここには明るいところ、暗いところ、蔽われたところ、天井の高いところ、狭いところ、見通しのいいところなどがあって、そのすべてが1部屋に配置されている。

この部屋は、主として屋根の勾配とそれを支える構造体を採用し、屋根からいろいろな方法で光を採り入れて活気が与えられている。

部屋は形によって制約され、光によって生気が吹き込まれる。

伝統的に、注文住宅の部屋は必ずしも大量の光を採り入れなかったが、それは、例えば、暖炉とかプライヴァシーに関心が向いたり、あるいはガラスが高くつくということが光をおろそかにしたためであり、目隠し、ベネシァン・ブラインド、カーテン、ドレーパリーを使って、ただでさえ小さな窓を通して入ってくる少い光をもっと少くしようとする習慣があったためである。

窓をつくることで

入口と厨房のある端のところで、屋根は対角線方向に折れ曲り、切り込みをつくって、玄関ポーチ用の空間をつくり、同時に内側の階段の明りをとる窓をつくる。

厨房のある場所は袋小路になっている。

注文住宅の部屋の中央では、外壁が入り込んで来て、廟の下は、食事用のポーチのようになっている。

そして、外壁の内側のスカイライトは内部の食堂を朋るくする。

食堂つづきに、2、3段下ると、廟にくっついて石の大きな暖炉が設けられている。

その先で屋根はさらに低くなり、廟が終ると、ガラスをはめた小さなサンルームが地面を削って突き出し、彼方の平坦な草原を望む。

暖炉の部分で低くなった屋根の端から滑らかな白壁が部屋にそって斜め上に広がり、小さなスカイライトからの光りによって、その中央部分が光り輝く。

部屋の奥の一番高いところには総ガラス張りのベイがあって、木々の梢に向き合っている。

複雑化した生活

今日では、空間自体にますます金がかかるようになってきたので、私たちは1部屋としかいえないような部屋の中で複雑化した生活を演じることになり、したがって、注文住宅の部屋に目くるめくような変幻自在性が求められるようになった。

オレゴソ州ジャソクション市のオットセン邸は、基本的にはワン・ルームで、片流れの大きな屋根は、一端では高く、他の一端では頭の高さほど低くなっている。

屋根は中央で対になった2本の太い荒仕上げの柱と、隣りの納屋の占材を利用した太い梁によって支えられる。

部屋は単純で、厨房は入口の突き当りに、食堂は中央に、談話・睡眠用の領域は奥の突当りにある。

屋根の輪郭と、それを支える構造体および高い方に並ぶ睡眠用バルコニーは、ワン・ルームの中の各用途を区分する。

自由だからこそ…

根本的な理由の1つは、部屋は人間のドラマを演ずる舞台であり、人間のドラマには、儀式的な要素と即興的な要素があるから、部屋はそれぞれの相対的な重要性を反映していなければならないといったことである。

儀式的要素が廃れ、即興的要素が花咲く現代のような時代には、愛知 注文住宅の部屋の形はより自由なものになりがちである。

現代のテクノロジーの進歩が別の理由を生む。

空間の架構がより容易になり、ガラスの壁によって、私たちの部屋の境界は不分明になる。

周囲の状態を変えることも容易になる。

かつては用途に応じて部屋があった。

つまり食事用、勉強用、睡眠用、娯楽用、それに漠然とリビングと呼ぼれる用途の部屋があった。

それによって、さまざまな儀式の区別が可能になり、即興的要素についてもさまざまな背景を提供していたのである。

部屋から部屋へ

私たちの敬愛するいくつかの古い家では、部屋の独立性は、ある部屋から別の部屋へ移るときに、厚い壁にあけた低いドアをくぐることによって強調される。

戸口は一種の前室で、小さな低いミニルームである。

それはある居住空間から他の居住空間への通路のしるしである。

こうした暗示的な手法はもっとさまざまに利用できる。

たっぷり面積のある寝室から隣りの天井の低い浴室へ、あるいは広々としたリビングルームから居心地のよい書斎へ移るときに、それぞれの空間は違った活動が割りふられているという意識が強調される。

同じように、天井の低い前室やポルティコと、注文住宅の天井の高い階段ホールが巧みに並べられていれぽ、家に辿りついて、中に入ってゆくという行為も晴れがましいものになる。

変化に富んだ空間を追求していくのも、昔からの単純な形態に別れを告げるのも、ともに今では珍しいことではなくなってきたが、その理由は多々ある。

自分の居場所をつくる

たとえば、天井高を7フィートから9フィートに変えれば、空間の質を大きく変えるだろうが、11フィート×14フィートの部屋と12フィート×15フィートの部屋の違いはさほど感じられないだろう。

これに対する1つの説明は、たいていの部屋では、垂直方向の寸法は水平方向の2辺の寸法に比べてかなり小さく、したがって、それがわずかに変っても、設計図で見る違いよりは大きく違って見えるという車実である。

しかし、部屋の垂直方向の寸法は「機能的制約」からは比較的自由であるから、情緒的満足感以上のものを与えることができるということも事実のようだ。

注文住宅の中にあって、ある空間からつぎの空間に至る間に高さが変るということは、多様性と驚きとともに、家の中で自分がいまどこにいるのか、他の場所とそこがどう違うのかといった感覚を住人に与える有益な機会を提供する。

天井の高さで変わる

高い、低いという印象は、そのままでは、壮大さとか威圧感といった積極的な意味を含んでいるわけではない。

8フィートの天井高によって、落着かない気がしたり、裏切られた気になるという私たちの印象も、フラソク・ロイド・ライトの住宅の一部にある低い天井や、古いニューイングランドの住宅の、ときには床から7フィートもないところに梁が飛んでいる非常に低い天井に心惹かれることがしばしぼある。

私たちが家づくりにおいてこうした空間を好むのは、多分それが珍らしく不思議だからだろう。

前者は1人の建築家が考え抜いた末の産物であり、後者ははるか離れた半ば忘れかけた世界のイメージを私たちに喚び起す伝統の生んだものだからである。

そのために、それらは、標準的な建築業者のような単に当り障りがないというだけのものではない。

天井の高さの僅かな変化は、部屋の横幅や長さの変化よりも空間の感じを変える力をもっているように見える。

プロポーションの感覚

つねに言われてきたひとつの原則は、高さの感覚、あるいは気楽な感覚であり、あるいは単に居心地良いプロポーションの感覚というものは、部屋の高さの絶対値によるものではなく、縦と横の寸法との相関関係の作用だということである。

建築家は猛反対しても、建設業者が建てつづけている8フィートの標準天井高というものは、それ自体ではいいとも悪いとも言えるものではない。

ただ標準化されて比較的安上りだという利点があるだけの話である。

非常に小さな部屋であれば、びっくりするほど高く思われるが、並以上の広さの部屋であれば、8フィートは憂欝になるくらい低い。

やはり注文住宅ならば、こういったところにこだわりつつも、家づくりの過程を工場で見ることなどができるので、こだわりたい人にはおすすめ。

好きなように暮らす

黄色い壁は天窓から入る日光に照りはえ、一方の壁にある窓からはメイン・ルームを見下ろすことができ、メイン・ルームからは意外にも木々や空をのぞくことができる。

背もたれの高い古めかしい椅子が注文住宅の長い部屋の中央におかれ、暖炉のかたわらでの憩いを誘い、またイギリスの中世荘園の大ホールを思い起させる。

天井の低くなった部屋の一端では、壁の間隔が拡がって、クッションを置いた広々としたプラットフォームとなり、ベイは梢につくった鳥の巣のようになっている。

段とプラットフォームは普段隊族の団らんの場となるが、それによって、語らいの輪に加わるにしろ、すこし離れ一段上にねそべって海を眺めるにしろ、各人の自由だ。

歴史上、建築家たちは、部屋の高さについても、縦と横幅同様、数多くの公式をつくって来た。

注文住宅の室内の様子

長い部屋は、パノラマのような景色の見える側から、段を下りると暖炉とキッチンに続き、ついで注文住宅の家の裏手にある南向きのデッキにつづく。

北側にある戸外の斜路は表玄関に通じ、そのすぐ横の階段を上れば、キッチンの上を通って寝室へと続く。

下の1階には子供室がある。

この場所の真骨頂ともいうべきものは、メイン・ルーム自体にこめられている。

天井と厚い壁とは、豊かな暖色を放つ荒仕上げの板が張られている。

この壁は人々が動いたり、ものに触れたりする高さまでいっぱいに張られているから、ものを置くための棚やニッチ用にくぼみがつくられ、したがって、壁がつやのある床材に届く手前は、塗装した合板のなめらかな仕上げになっている。

一番上におさめられた主寝室は、その下の台所と食堂の天井になる。